(歴史)ダマスクローズの親バラとは?
バラの系統図
ダマスクローズを生んだバラの系統図は、蓬田バラの香り研究所さんの解説をご紹介します。
バラの名称が学名で紹介されています。このページでダマスクローズは、「ロサ・ダマスセナ」(Rosa damascena)です。
ロサ・ガリカとロサ・フェニキア
これによるとダマスクローズは、ロサ・ガリカとロサ・フェニキアの配合で生まれています。
おそらく人為的な人工交配でなく、シリア・ダマスカスの地中海沿岸の野原あたりにロサ・ガリカとロサ・フェニキアが勢力を拡大し合う最中、出会い、自然交配したのかも知れませんね。
人で言えば国際結婚ですね。生まれたバラが、ロサ・ダマスセナ(ダマスクローズ)。
ロサ・ダマスセナ(ダマスクローズ)は、地中海周辺のどこかで、さらにロサ・カニナと結婚し、ロサ・アルバが生まれ、同じく地中海周辺のどこかでロサ・センティフォリアが生まれて中東・ヨーロッパのオールドローズ勢力図は確定した感じです。
奇跡の生存
自然交配は、当然無数に行われていると思われます。
しかし、結実しない、発芽しない、発芽しても生き残れない、たまたま生き残れても長い歴史を生き抜くことができないというケースが多いと推測されます。
このような理由でほとんどの新種は滅ぶ確率が高いことが一般的です。
突飛な事例ですが、現在の日本で新しくビジネスや会社を起こす(起業・創業)する場合、最初の3年間の生存率は 50%、10年後の生存率は 10% と言われます。
しかし、生物界の新種生存率は、もっとはるかに少なく厳しいと思われます。
現在まで生き残ったロサ・ダマスセナ(ダマスクローズ)とロサ・センティフォリアは、そういう過酷な生存競争を勝ち抜いてきた希有なバラと思われます。
- (2017-08-12)
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