精油 = エッセンシャルオイル
エッセンシャルオイル(ローズオットー)
ダマスクローズは、花びらからオイルが採取できます。
一般に植物を水蒸気蒸留という方法(釜ゆで方式)で採取されたオイルは「エッセンシャルオイル」(精油)と呼ばれます。
ヘキサンなどの溶剤に植物を溶かして、その溶剤を飛ばして採取するオイルを「アブソリュート」と呼びます。
ダマスクローズのオイルは、エッセンシャルオイル、アブソリュートともに採取可能ですが、エッセンシャルオイルの方が一般的には人気があるようです。
ブルガリアで生産されるブルガリアンローズ(ダマスクローズ)のエッセンシャルオイルは、とくに「ローズオットー」と呼ばれ、大変高額な取引が行われています。
資産と見なされるローズオットー
私が現地のブルガリア人から聞いた話では、ローズオットーは、現地では銀行の"担保"になるとのことです。
その意味は、ブルガリアンローズ(ダマスクローズ)の精油には、"財産・資産"として価値があることを意味します。
わずかな量しか生産できないローズオットー
ブルガリ・バラの谷を車で走ると、見渡すかぎりの広大なバラ畑が拡がり、感動的です。
しかし、この広大なバラ畑からどれくらいのエッセンシャルオイルが採取されるのでしょうか?きわめて大雑把に言うと、なんと1ヘクタールの畑から、わずか1キログラム。
咲き誇るダマスクローズの花は、オイルが最大に含まれる頃合いを見計らって、多くの季節労働者を集めて手摘みされます。100m四方の畑から集められる花は3トンから4トン。
すぐに蒸留所に運んで、数時間後に抽出されるオイルは1kg。
片手で持てる小瓶に詰められた黄金色の液体が、どれほど高価で稀少なモノか作業を見ているとヒシヒシと実感がわいてきます。
※「季節労働者」は、以前はジプシーと呼ばれる移動民族の人々が多かったようです。ヨーロッパの複雑な民族事情は、奥が深そうです。
- (2017-08-12)