日本のダマスクローズ
お花屋さんで買えないダマスクローズ
日本のお花屋さんでダマスクローズを見かけることはめったにありません。お花屋さん定番のバラも、ダマスクローズは、観賞用切り花として流通していないためです。
なぜ日本では、お花屋さんにダマスクローズがないのか?
・栽培農家が日本にはほとんどない
・中国にはちょっとした一大産地があるものの近隣諸国にもほとんどない
・大規模に栽培されている中東・ブルガリアでも、ダマスクローズは香料用もしくは食用であり切り花としての出荷は少ない
・モダンローズと比較して見劣りする(個人的には何ら劣りませんが、一般にはそう思われがち)
・トゲが多く、扱いにくい(日本原産のバラ・ハマナスも強烈なトゲだらけ。香りのバラにはトゲがあるのかな?)
苗木なら日本でも入手可能
園芸園やホームセンターなどで見かけることがあります。通販でも入手可能です。
一季咲きです。バラはだいたい初夏に咲くものですが、ダマスクローズも関東の気候なら、5月〜6月に咲きます。
非常に香り高く圧倒されますが、個体や年度によって香り方が違ってきます。
中東・ブルガリアではほとんど無農薬で栽培可能ですが、高温多湿の日本では、甘い芳香に誘われてくるのか、アブラムシなどムシが寄りやすく、日本での栽培は難しいバラです。
とくにバラ愛好家の間で悪名高いあのチュウレンジバチ(成虫には毒針がなく人に優しいが、幼虫が旺盛な食欲でバラの葉を食べます。
バラ園芸家を恐怖の陥れる)にやられる報告が後を絶ちません。
ダマスクローズの蕾も人気
ドライフラワーとしてダマスクローズの蕾(つぼみ)が、海外から輸入されています。
私が知っている範囲では、中国産・イラン産などがあるようです。このドライフラワーから精油を抽出しようとしている友人がいますが、まずまずとのことです。
趣味ですので、楽しいようです。一般には、ポプリに使用されたり、ハーブティー、ジャム漬け、オリーブ漬けなどにして食用にも利用されているとのことです。
ダマスクローズ・ハーブティー
私はダマスクローズ蕾のハーブティーをいただいたことがありますが、確かに圧倒的な香りでした。
一般的なハーブティーは、だいたい青臭くて、それほどおいしいと感じるモノが多くありませんが、マスクローズ・ハーブティーは香りが印象的でした。
- (2017-08-12)
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