オーガニック栽培
オーガニックと向き合う
この蒸留所さんの大きな取り組みの一つがオーガニックです。そのための専用工場を去年設立しました。
工場はお金があれば設立できますが、オーガニックのバラ畑はそうはいきません。ブルガリアのバラは比較的農薬が少なくて済む植物ですが、それでも多少の散布も必要です。
ほんのわずかな散布のためにほとんどオーガニックと主張する農家もあるでしょう。その主張をそのまま広告に使用してローズ製品を販売している業者もあります。
自称「オーガニック」が怪しい現状、世界では権利ある認定機関の認定に注目が集まっています。
ヨーロッパでは「EC Regulation 2092/91」(EC規定2092/91号、農産物のオーガニック表記に関する規定)が最も権威があるオーガニック証明でその証明書取得は相当厳しいと言います。
この蒸留所さんではスイスのオーガニック認証機関であるIMO社より認定を受けています。取得に4年を費やしたといいます。
しかし、オーガニックローズの生産量には限りがあります。たとえば農薬の代わりに様々なアロマウォーターを散布しているそうですが、安全で効率的で決定的な手法がまだ見いだせていません。
一部の果物に関してはオーガニック栽培の手法がある程度確立されたものもありますが、ローズに関しては、世界中で誰も実現できていない、誰も知らない、という状態です。
「毎日が研究です」。
長期戦でオーガニックとじっくり向き合う姿勢でした。この蒸留所さんの取引相手国は現在、米国、ヨーロッパ、日本のみ。
取引相手国を増やしたり取引量を増やすことより最高のクオリティをもっとも重視するという企業ポリシーをカラダを張って実現しようとするF氏の姿を見て、私もこの蒸留所さんのローズウォーターを毎日飲みたい気分になりました。
- (2017-08-12)
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