バラの原種(アジア)
バラの原種(中国・ヒマラヤ・ミャンマーのバラ原種)
中国南部・ヒマラヤ山脈・ミャンマーは、世界のバラのそもそもの原産地ではないかと考えられているバラにとって重要エリアです。
このエリアでバラは生まれ姿を変えながらアメリカを含む北半球全体へと拡散していきました。
その後、ヨーロッパに渡ったバラと中国南部・ヒマラヤ山脈・ミャンマーのバラは中世から近代の時代に運ばれ、ヨーロッパのバラと東洋のバラが出会うことで現代バラ(モダンローズ)へと大きな変化を遂げました。
現代バラの祖先となった代表的な品種が、ロサ・キネンシスとロサ・ギガンティアです。
それまでのヨーロッパのバラになかった「ティー系の芳香」「四季咲性」「剣弁」といった特徴がこのとき生まれました。
ロサ・キネンシス(Rosa chinensis)・・・四季咲性
別名、コウシンバラ。特徴は四季咲性。ティーローズ系現代バラの四季咲性は、ロサ・キネンシスに由来するとされる。
芳香は香辛料の香りと言われる。中国・貴州省、湖北省、四川省が原産地と考えられています。
ヨーロッパに渡る前にも中国ではすでに園芸用のバラとして栽培されており、この原種自体には、四季咲性はなかったかもしれません。
花は濃紅色で八重または二重咲。野生種は一重咲。ヨーロッパに渡るとガリカ(Gallica)系のバラと交雑され現代の四季咲き性の現代バラの祖先となりました。
ロサ・ギガンティア(Rosa gigantea)・・・剣弁とティーの芳香
名前が示すとおり巨大な野生種のバラ。バラの中でも最も大きな種で、直径10-15cm程度。ヒマラヤ山脈、ミャンマー北部、中国・雲南省が原産地と考えられています。
つる性。花は白が多く、そのほかクリーム色や黄色。花は一重咲きの中大輪で白色。芳香が特徴。ティーローズ系現代バラの剣弁とティーの香りは、ロサ・ギガンティアに由来するとされる。
- (2017-08-12)