バラ蒸留所の復興
バラ蒸留所の復興
F氏は共産主義が倒れるとすぐに米国シカゴの大学に留学し経済学を学びます。
西側諸国の住民がごく普通のこととして認識している株式取引や金融商品に驚き、資本主義経済システム学びました。
そこで英語をマスターすると同時に全世界の将来のビジネスパートナーや潜在取引先の開拓にも役立ったと言います。
現在、この蒸留所さん社はお父さんが蒸留所のテクニカル部門を総括し、英語が堪能なF氏がマーケティング・営業と仕切ります。従業員は20名。
これに季節労働者が季節ごとに加わります。F氏は通常ブルガリアの首都ソフィアの事務所で活動します。
そして、5~6月、バラの収穫期にはカザンラクの工場敷地内のセカンドハウスに寝泊まりしながらオイルの蒸留と生産を行います。
あまり知られていないことですが、ブルガリアはラベンダーオイルの生産も盛んです。
ラベンダーは南仏プロバンス地方が有名ですが、その生産量は減少傾向にあり、また世界的な需要増大を受けブルガリアでのラベンダー生産量は増加しています。
一部はフランス産として化粧品やトイレタリーの原料にもなっていることでしょう。
「6月にローズオイルの生産が終了すると次の一ヶ月はラベンダーオイルの生産になります」
そうやって夏に最盛期を終えると、F氏には今度は営業活動と勉強が始まります。
何の勉強でしょう?ローズの栽培方法、ローズオイル蒸留技術など、生産に関するすべての勉強です。まったくゼロから彼らはバラの栽培とオイル抽出技術を学び直す必要がありました。
- (2017-08-12)
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